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フェセグのコーヒーは、標高1,300メートル以上というコーヒー栽培に適した高地で栽培されています。主に、イシル族、カクチケル族、キチェ族、マム族、ポプツィ族などの先住民族やその混血のメスティーソの家族経営の小規模な農家です。
グアテマラでは、一部の大土地所有者による大規模経営から、土地を分配するプログラムがあり、現在ではそれぞれの農家が土地を取得し、小規模生産者として農業を行う人が増えています。フェセグも、そんな小規模な生産者の集まりの一つです。組合を作り連携することで、コーヒーの質や量を安定させ、安定的に販売していくことができます。
フェセグの設立は、2006年。2001年から2002年に発生した世界的なコーヒー価格の下落により、生産にかかる費用さえまかなえず、多くの生産者がコーヒー栽培を諦めるような状況でした。生産者家族が生活の質を高め、幸せに暮らすことを目指して6つの生産者団体が集まり結成されました。グアテマラ第2の都市ケツァルテナンゴ市に本部を設置し、法的登記も行い「団結」「チームワーク」を大切にしながら活動しています。
コーヒー栽培について
堆肥づくり
土づくりのための堆肥は、堆肥場で共同で作っています。
2006年には、グアテマラ第2の都市ケツァルテナンゴ市に本部を設置し、法的登記も行い組織として確立されていきました。
コーヒーの外皮やバナナの葉などの有機物と共に、地域の土壌に含まれる微生物を加え、2~3月かけて発酵。内部の温度は、75度から90度まで上昇し、完成度の見極めは香りで判断されます。以前は、6ヶ月かかっていた堆肥作りでしたが、共同の堆肥場を作ることで効率的にできるようになりました。
液肥づくり
コーヒー栽培に欠かせない液肥も、生産者自身が共同で作っています。さとうきびなどを溶かした液体に、山の土の微生物を入れ、培養したものです。製造に約30日かかりますが、丁寧に作られています。
1月から2月にかけてのコーヒーの花の開花時期、3月からの実の結実時期に重点的に散布します。生産者のお一人、アダさんの畑では、1本の木に液肥1.5リットルから4リットルを散布するとのことです。
フェセグ生産者の農地は各地にあるため、トラックを使って配達も行われています。
モデル農園と養蜂
フェセグでは2009年から、養蜂の普及に取り組んおり、地域のモデル農園を設置しています。コーヒー栽培と養蜂を複合的に組み合わせることで、小規模農家として安定した暮らしにつながっていきます。
かつては、山林の蜂の巣を見つけると、巣を壊して蜜だけを持ち帰っていましたが、ハリナシミツバチを捕らえて巣箱に移し、自宅周辺で養蜂をするように指導しています。
現在は、25名の養蜂家が誕生しています。今後も養蜂を進めるため、デモハウスを建設し、わかりやすく生産者への知識共有を図っています。
組合の活動紹介
1.生産者の生活向上
家庭菜園を組み合わせて、家族に栄養バランスのとれた食事をするような工夫を、生産者に促しています。
2009年から養蜂が普及してきたことで、栄養価の高いハチミツが安定的に食卓に上りつつあります。
また、養鶏は既に普及していましたが、ヤギの飼育を推進することでミルクを家族で消費して、糞は堆肥にする循環も生まれています。
2.女性の社会参加を後押し
コーヒー栽培を通じて、女性の社会参加を促すこともフェセグの大切な役割です。フェセグ内に女性委員会を設置して、女性リーダーの育成にも力を注いでいます。女性が地域組合の重要な役割を務めるなど、その成果も現れています。
女性がリーダーを務めることで、地域に新たな後継者が育つほか、人権意識や家計への配慮が向上しています。さらに、女性が家計を管理することで、収入が子どもの教育に回る額も増えています。
フェセグが女性の社会進出を促す理由の1つに、36年も続いた内戦の影響もあります。1996年に和平協定が結ばれて終結した内戦の影響は、今もコーヒー生産者が暮らす地域に残っています。内戦により働き手の男性が、ある日殺害されたり行方不明になることもあり、女性と幼い子どもだけが取り残されるということもありました。こうした歴史的背景もあり、フェセグは女性の地域リーダー育成を重要事項に掲げています。
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